パーシバルはアネリの疑問に答えるために、広い部屋の隅へ移動する。
アネリに装置側ではなく壁側を歩かせるところがさりげない優しさだ。
「こちらでございます。」
部屋の隅の壁には、大きくごついレバーがひとつ突き出して設置されていた。
今は「ON」に傾いている。
「……………。」
アネリはレバーを下げてみたいという衝動に駆られた。
当然だ。そこにレバーがあるのだから。
しかしもしそれをしたら、当然多くの人に迷惑をかけることになる。アネリは渋々自重する。
「お嬢様、触ってみますか?」
「…ちょっと、冗談言わないでよ。」



