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地下へ続く扉はひとつだけ。
ただそれを開くための鍵は複数あるようで、そのうちのひとつはパーシバルが鍵の束として所有していた。
よっぽどルロイからの信頼が厚いのだろう。
普段ここに出入りする人間はいない。そのため扉の前には警官はいなかった。
「さあ、こちらですお嬢様。
暗いので足元にお気を付けて…。」
初めて足を踏み入れた地下室は、予想通り薄暗く重々しい雰囲気が漂っていた。
コンクリートの壁の狭い通路を抜けると、広々とした空間に並べられた巨大な発電装置の群れを見る。
普段は正常に稼動している。装置から発せられるエンジン音が怪物の唸り声のようだ。
「…へえ、こうやって発電してたのね。」
話に聞いていただけに、実際見てみるとその威圧感に圧倒されてしまう。



