“大好きよ。” 愛して止まないお嬢様から、そんな至高の言葉を貰えたというのに、 「……………。」 パーシバルは浮かない表情のまま、どこか遠い目でアネリの姿を追っていた。 その理由は、パーシバル自身よく分からなかった。 ―――いいえ、お嬢様。違うのです……。 ―――私が欲しかった言葉は、違うのです…。 ただ、“違う”ということだけは分かる。 苦しいほどの、今まで感じたことがないくらいの気持ちに押し潰されそうになりながら、 パーシバルはアネリの後に付き従う。