「今やってんのは…明日の料理の仕込みか。 ガスレンジの前に移動し……、 ここだ。」 「あ。」 トレイシー警部の合図と同時に、画面が真っ暗闇に変わった。 映像に問題があるわけではない。 どうやらこれは昨晩起こった停電のようだ。 ただし、それも僅かな時間のこと。 再びパッと電気が点いた時には、 「っ!」 料理番の死体が完成していた。 画質は悪いが頭に矢が刺さっていることは分かる。 アネリは息を呑んだ。