その変化にアネリも思わず引いてしまうが、そんな彼とは産まれた時からの付き合いなのだから多少は慣れた。
大袈裟なお世辞(恐らく彼は本気)については深く考えないようにしながら、アネリは自分の髪の毛を軽く掴む。
「パーシバル。髪、編んで。」
「!」
アネリからの髪結いのお願い。
パーシバルが喜ばないわけがない。
表情をホニャッと緩めて、
「喜んで。お嬢様。」
彼女の錦糸のような手触りの髪へ指を絡め、優しい手つきで三つ編みにし始めた。
長い髪を的確な角度で、程よい力加減で、しかし素早く編んでいく。
片側を終えると束を白いリボンで結び、もう片方へ。
両方を編み終えるのに、5分もかからなかった。



