口を押さえたマドック刑事の心配を他所に、意外にもパーシバルは落ち着きを取り戻していた。
「確かに。
お嬢様をお護りすることは旦那様からのご命令です。
…少なくとも、初めの頃は。」
「…?」
後付けされた言葉の意味がよく分からない。
首を傾げ、目で「どういうことだ?」と訴えるのだが、
「…いえ、私の話はまたの機会に致しましょう。
お嬢様、お食事の妨げをして申し訳ございませんでした。」
パーシバルはあっさりと身を引いてしまった。
消化不良なマドック刑事はなんとか話の続きを聞こうとするが、アネリが少し食器の音を立てて食事を再開してしまったため、大人しく自分も料理に手を付けるしかなくなった。
―――初めの頃は―――
何なのだろう。
あの言葉の意味は……?



