会話が途切れた時に訪れる、よく分からない気まずさから逃れるために料理に手を付けようとするのだが…やはり食欲は湧かない。 対面のアネリをチラッと見る。 「…………。」 彼女は、文字通り黙々と食べていた。 美味しいとも、不味いとも取れない表情で、ただ料理を減らしていくのだ。 自分より一回り以上も年下の少女に話題を出させることほど情けないことはない。 ちょうど自分は食事する気はないのだから、この際彼女のことをいろいろ訊ねてみよう。 マドック刑事はナイフとフォークを元の位置に戻した。