「駄目なんだよ、金が無いと!!」

「「「知ってるよ。」」」

「そこで仲良くハモるんじゃねぇよ」

「で、何で駄目なの?
なんか買う訳??」

「ゲームだよゲーム!
今週末に発売されるやつ!!」

「小学生かお前はっっ!!」


むしろ小学生以下だろ、コイツ。

何がゲームだっつの。

おめでたい脳味噌しすぎなんだよ。


「ちょっとちょっと、誤解してるっぽいから言うけどさ、俺のじゃないよ?」

「は?言ってる意味が分かりませんけど」

「弟だよ弟!
もうすぐ誕生日だからさ、欲しがってたゲーム買ってやろうと思って…」


…弟??


「お前、弟なんか居たっけ?」

「あ、直人は会った事ないんだっけ。」


…俺、は…?


「え、何。
優輝も健斗も会った事あんの?」

「まぁ、それなりに。」

「おい優輝、何だそれなりにって。」

「すっげー良い子だったぜ?」

「え、てか何。いつ見に行ったわけ??」

「あれだよ、蓮が珍しく風邪ひいた日」

「あぁ、あの日は確か蓮がズル休みじゃなかったから俺ら3人で驚いて…」

「え、何。3人ともそんな話してたの?」

「んで、直人だけ見舞いに行かなかっただろ。面倒くさいからとか言って。」

「え、直人面倒くさいって言ったの?」

「それで、俺と健斗だけで行って…」

「弟に会った、と。」

「ま、そういう事だな。」

「ねぇちょっと、俺の発言無視?」