PM11:45 みなと別れ、駅前通り を歩いていた。 「辛くても苦しくても 忘れないでその笑顔 もう1度見せて 僕にだけ 甘い日々の夢を………」 あたしは、その切ない歌に、 色っぽい歌声に立ち止まった。 「しんくん。」 「ゆなちゃんじゃん! 今日は1人?」 「うん。さっきまで友達と 飲んでた。」 「そっか。そういや、 りょうと付き合ってるだって? りょうが嬉しそうに 電話してきた。」 「うん。」 「そっか。お幸せに。」 「歌…、聞いていってもいい?」 「いいよ。」