額を床に擦り、何度も何度でも謝罪しなければ――事を穏便に収めてもらうまで――。
決意し、行動に移そうと腰を浮かしたその時――
「もういいよ――わかったよ、マイマイ――」
過ちを認め、やっと謝る気になったのか、立ち上がりながら華奢な腕で私の体を優しくソファーに戻し、天使の様にアリスははにかんだ――。
アリスの言葉を聞き、川井出の諦めと怒りの表情も少し静まった様に見え、多田坂と謝罪の言葉を待つ――――。
「ふうぅ――――」
アリスが息を吹く。
「説教は終わったかい、資本主義市場原理経済システムの歯車に成り下がった、偽りの人生の敗北者がっ――」
アイドルの皮を被った「小悪魔」が、決定的に不利な状況を覆すべく、腕を組み、川井出と多田坂を哀れみの眼で見つめ、「規格外」の謝罪を放った――。
謝罪するものと構えていた「私達」は固まった――――川井出と多田坂は口を開け、「はぁ」と気の抜けた言葉が出かかっている様だった――。
ここが、「責め時」と状況を分析したアリスは、困惑する二人に、「口撃」を再開する――――。



