アイ・ドール


「せっかくマイマイと仲良くなったのに、何かアリス、テンションダウンでやる気なくなっちゃった――マイマイが辞めさせられるんなら、アリスも辞めちゃおうかな――」


 あらぬ方向に話を蹴るアリス――。


「キャロもあのプロデューサーのやり方、ちょっと気に入らないし――辞めさせられるのは彼の方じゃない――」


 蹴られた話をキャロルアンが受ける。


「キャロちゃんに賛成。流花も現場にいたけど、あのプロデューサーには本当、ムカついた」

「ウチもそう思う――あんな言い方されたら、万希子さんじゃなくたって辞めたくなっちゃうよ――」


『じゃあ、皆で辞めちゃえ――』


「えぇぇ、皆が辞めちゃうんならぁ――葵もぉ――」

 パスが繋がってゆき、詩織にメンバーの想いが委ねられる――。



「とにかく皆で社長室へ行くよっ――マイマイを辞めさせないでって。ダメなら私達にも考えがあるって――それでいいよね――」


 詩織の最終決定に誰も反対しない――今にも駆け出しそうな気概がメンバーの体、瞳から漲っている。



「ちょっと皆、待って――」


 止めなくては――が、言葉が続かない――。