夢を叶えられなかった――――ところが――
「ヴィーラヴには万希子が必要なの。絶対に――」社長の一声によって、追加加入が決まる。社長の力強い言葉にも万希子さんは「運命」を感じたと語った。
「長くてもきっと、3、4年です――」
「何が――」
「わかっているんです。華がないって――それでも努力するって決めたんです。そうして3、4年も経てばそろそろ卒業ってなるじゃないですか――きっと私が一番早く卒業するでしょう。代わりに可愛いメンバーが加入する――それでいいと思うんです。卒業してからでも医学の道に進む事は可能ですから――姉さんも、きっと許してくれるって――でも、こんな所でつまづいて、迷惑をかけていては――私、やっぱり私は――」
「そこまで考えていたなんて――でも、ここで辞めてしまったら、お姉さんは悲しむと私は思うの――」
万希子さんを優しく立ち上がらせ、私達は窓際へと歩み寄った――。
「万希子さん、何が見える――」
私は何をやっているのか――これではまるで社長の受け売りではないか。
あの時の社長と同じ台詞を、これから私は万希子さんに語るのだ――。



