「何回言えばいいんだよ――ちゃんとやれよっ――ったく――」
プロデューサーの怒鳴り声が響いた。
「えっ、何――」二人は驚き、雪は食べようとしていたドーナツをテーブルに落としていた。
自分の腑甲斐なさと怒号に耐え切れず、その場にしゃがみ込む万希子さん――。
「何してんだよ――立てよっ――」
ピクリとも反応しない万希子さんにも構う事なく捲くし立てるプロデューサー。
「皆ちゃんと歌えるのに、どうしてお前は同じ箇所で何回も間違えるんだよ。お前一人に時間かけてらんねぇんだよ――自信がないなら自主練して来いよ――ったくちょっと売れるとすぐ調子に乗りやがって――」
「――――」
「早く立てよっ――そこで踞ってても何にもならねぇんだよ――んあぁ、役立たずがっ、その態度がイラつくんだよ――立てよっ――立てよコラッ」
「――――」
「はぁ――もういいや。辞めろ――辞めちまえ――出来損ないのクズがっ――」
「うっ――」
「クズ、クズ、クズ、クズ、レコーディングもできないクズ人間――アイドル失格クズ人間――」
「このクズ人間がよおぉぉぉっ――」



