「きっとさ、気合い入ってるんだよ流花っち。万希子さんって今まで目立ってなかったし――キャロちゃんやモカッチ、モコッチはワールドワイドって感じだし、リーダーはドーンと構えてて、流花っちはダンスで目立ってるし、ウチも少しは目立ってるけど、それでもアリスと葵ちゃん達にはかなわないし、皆よりパート多いしさ――何かプロデューサーって二人を贔屓し過ぎだって思わない。それってズルくない」
「そんな事言っちゃマズイよ雪ちゃん――プロデューサーに聞こえちゃうよ――」
あからさまに不満を口にする雪に、人差し指を唇にあてがいながら小声で制する流花――。
ちょこっと舌を出し「今の聞こえてないよね」と囁いて肩を竦める雪。
彼女達の間にも「派閥」なるものが存在するのか――本音の部分では、好き嫌いや嫉妬など、互いの思惑が絡み合った人間関係が内在するのだろうか――。
アイドルといえど、私と同じ人間に変わりはない――絡み合った糸を解き、円滑な関係を構築し管理するのも私の仕事なのだろう。まだ14歳から20歳までの「未成熟」な人間なのだから――。
私だって――「未成熟」なのに――。



