時折、私と「目が」合うも、2キロ程離れた場所で「狙う」私達に気づく筈もない――。
「可愛いわ、梨寿華ちゃん――あの頃と何ひとつ変わらない――第一射をかわしたのも、持って生まれた勘の鋭さと運動神経の良さなのね――」
「だから――――」
「好きじゃない――」
魂が紡ぐ――。
梨寿華ちゃん、あなたは可憐で、素直で、無垢で太陽の様に輝いていた――あなたは意識していなかったけれど――だから羨ましくて、好きで――好きじゃなかった――。
だから目覚めてすぐ、この世界の太陽を真っ先に感じたいと思ったんでしょう――。
決して外に出てはいけないのに――情報通りだわ――。
そして――――私に狙われている――。
「だから――――」
口元が緩む――。
「おっと、次弾チャージ完了っ――」
「もう遠慮なしのマキシマムパワーでいいよね――」
アリスが、私のレーザーライフルの出力を開放し「温情」を断ち切る――。
心地好い風が吹く――。
万希子は、しなやかに佇み、長い髪を風の流れに乗せ、ゴールドマリーが隣で腕を組み、梨寿華を見据える――。
スコープの中の「可愛い」梨寿華――。
「さぁ夢っち――さっさと梨寿華ちゃんぶっ殺しちゃおうよ――」
足をバタつかせ、はしゃぎ言うアリス――。
「そうね――――」
「梨寿華ちゃん――いいえ――」
「梨寿華――――」
「死んで――――」
トリガーに触れた指先が、躊躇なく、淀みなく私の嫉妬と羨望の意志を遂行した――。
――――つづく
アイ・ドール
アンリ・みのり



