アイ・ドール


しかし「人間」としての思考という「遺産」が、数十年いや、それ以上の年月が経過しているであろうこの世界を「体感」しても尚、躰の奥で燻っている――。


荒廃した建築物、荒れた大地――これも「人間」という「愚か」で上から目線で形成された偽りの心眼――。


私達が勝手に私達を葬った事など、この惑星と動植物達は気にも留めていないだろう――。


雀や四十雀達が「そうよ」と私の想いに答え、美しい歌声を奏で、可憐な草花らも、仄かに流れる風に身を任せ、踊る――。






伏せ狙い、第一射をかわした人物が、辺りを見回す――。


レーザースコープのレンズの中で戸惑う姿――。






「梨寿華(りすか)ちゃん――――」


懐かしさに、言葉が濡れた――。




「あーぁ、外しちゃったぁー――夢っちは相変わらず射撃がへたっぴだなぁ――」


顎を両拳にちょこんと乗せ、私の隣で伏せていたアリスが「遠く」にいる梨寿華を捕らえ、言った――。


「くっ――――」


懐かしさと同居する「悔しさ」が放出した――。


「まったくぅ、あれだけ訓練したのに外しやがって――テメェは何をやってるんですか――」


相変わらずのゴールドマリーの口調に、悔しさがより心にのし掛かる――。