「もうやめて、舞――何だが寒いわ――――」
「うふっ、やめない――だって夢子ちゃん、ここで死ぬのよ――そして生まれ変わるの――」
「寒いなら、私が温めてあげる――」
その瞬間、私は自立姿勢を保てなくなり、血の海の床に崩れ落ちた――。
背後から抱きついたままの舞が衝撃を吸収し、より優しく私を包み込み、耳元で囁く――。
「人間の世界はね、もうすぐ終わるの――私はこの世界で歩みを終えるけど、夢子ちゃんには次の世界を託したいの――ヴィーラヴと一緒にね――」
「――――」
「あぁ夢子ちゃん、もう話す事もできないのね――躰は冷たくなっても、血はまだこんなにも熱いのに――」
元の色がわならなくなった下着――血塗られたベビードール――話す事さえ「許されない」私の意識――。
「死ぬのね――――」
私の「中」で呟いた――これまでの「人生」が再生される現象など起こらない――。
躰から血液が「自由」に流れ、私自身が終わってゆく――。
走馬灯なんて、ありもしない――。
あるのは、死という現実と、それ故に研ぎ澄まされ、鮮明に残る塩おむすびの「素直」な味――。



