アイ・ドール


それ程にヴィーラヴは舞を包み込み、慈しんだ――。




それは「愛」なのか――。


そうなのだ――。


ヴィーラヴと舞の「愛」と「愛」の相互関係――。


私にはあるのだろうか――ヴィーラヴと舞から「愛」を注がれる人間としての資格が――。




ある筈だ――――。


その為に舞は私を「選んだ」のだ――他の誰であってもならない――。




躰の熱が上昇する――。


快の残り火が燻る――。


呼応して「湿る」深層自我――。


暴走する意識――。


綿素材を浸透、拡大してゆく深層自我の蜜――。




もうこのまま――――




「お待たせ――」


皿に置かれたおにぎりを差し出す舞――。


「塩おむすび――――」


器用に握られたそれをひとつ取り、口へ運ぶ――。


適度な温度――。


絶妙な柔らかさ――。


優しい塩加減――。




「美味しい――」


「そう――良かった――」


斜め後ろで舞が照れ気味に言った――。


「人生の全てが、ここに凝縮されているみたい――」


半分程食べ進めたおにぎりを見つめ、火照った自身に託つけて、らしくない言葉を紡ぎ出す――。