アイ・ドール


「んもぅ、そんな呼び方はやめて――」


少女の様に可愛らしく頬を軽く膨らまし、官能的な躰を私に密着させ、舞は意地らしく言った――。


「あの頃の呼び名で呼んで――」


舞が甘い香りを燻らせ、誘う――。


「舞――――」


私が「素直」に反応する――。


その時、舞の体温が僅かに上昇した――。


「夢子ちゃん――」


私から離れ、言った舞の瞳が潤んでいるのが嬉しかった――。


正直、社長に就任し「威厳」を保つ為に全身に鎧を纏い、私に対しても高圧的で冷たい対応で臨むのではと頭の中で「妄想」し「恐れていた」私の意識と躰は、舞のままの舞を体感して、ようやく解きほぐされた――。


変わらない舞と変わった舞――――知りたい事はたくさんある――。


あの頃から現在までの「欠けた」友情と時間の谷間を埋めるべく語らい、ふれ合いたい――。


衝動は尽きないが、私には私に与えられた「使命」がある――。


嫉妬と「画策」めいた情念の山の頂上に担ぎ上げられた私の成すべき事を――。


その為に舞は私を「指名」したのだから――。




「皆、私の同級生――いいえ、親友の夢ノ夢子さんです――」


「今日から3日間、私と皆の密着取材をして頂きます――包み隠さずヴィーラヴを見せてあげてね――」


「わかりました――」


リーダーの詩織が言い、私に寄り添う舞とヴィーラヴ――。


心の距離が縮まる――。


彼女達は否応なく私の意識と躰そして「魂」の快楽中枢を刺激して、やがて支配する――。