「舞ちゃんは強いねぇ――――それとも、弱いのかな――――」
ミネルヴァの文字が踊っていた――。
「弱いんでしょうね――――」
月を眺め、呟いた――――。
私達は、「無」となるべく命を終え、土へ、海へ、宇宙へと還ってゆく――――。
人間は存在を失う――――。
嘆き、悲しむ「者」はいないだろう――。
歓ぶかどうかも――わからない――――。
「考えるだけ――無駄ね――――」
月ではなく、星達が煌めきを増して私に説く――――。
「そうなのよね――――」
わかっている――答えが得られない事も、無駄な事も――――。
どうでもいい事の様にも思える――――。
しかし、アイドール達はこれからも存在し続ける――――礼子さんが言う、かつて人間という生物がこの世界を支配していたと、身勝手に思考して生きていた頃の面影としての「墓標」であり、人間の愚かさと儚さの「象徴」でもある彼女達は、人間のいない「新たな」世界で何をしてゆくのだろう――――。
何もせず、時が満ちたら自ら死を選び、潔く消えてゆくのか――――。



