アイ・ドール


月の姿がぼやけて見える――――。



「――――」



涙――――。


瞳にうっすらと涙が滲む――――何故、どうして涙が――自分でもよくわからないままに――――。



魂の純粋な部分が反応しての事なのか――。


それとも、涙を瞳に潤わす現象によって私を人間たらしめようとする、偽人の仕業なのか――――。



私の魂は、どちらに支配されてゆくのか――。




「あなたは、どちらの私でいて欲しい――――」



問われた月はもう、私の意識の中に語る事はなかった――――ただ、空に輝き続けている――――。





「自身で決めなさい――――」


という事か――――。






雪の歌声に、アリス、葵、キャロルアンが声をのせる――――。






空に光る星達よ――


もう一度――


わたあめを下さい――




愛という――


甘い――


魅惑の――




わたあめを――




口に含むと――


蘇る――


あなたとの――


甘く――


切ない――


二人の――


煌めく――




愛の記憶――