常に新鮮な話題を提供し続ける為に、増員、ユニット、ソロ、卒業と、絶えずその姿を変化させて、偽人達の欲望を繋ぎ止めている――――。
「でも――――悪いわね――――」
月を眺め、詫びた――。
私のアイドール達に増員される「人間」は、希望で瞳を輝かせている彼女達から選ばれる事はない――――よって、「果実」を貪ろうとする「大人達」の目論みも、失敗に終わる――――。
アイドールの新メンバーは、アイドールでなければならない――。
既にミネルヴァとは、躰、容姿、性格に至るまでの詰めの協議を終え、数週間後には「生産」を開始し、新しいアイドールとして「産声」を上げる――――。
「舞の好きにしていいわ――――」
メンバーの増員は、礼子さんが決めた事だが、その他の一切は私に委ねてくれた――――嬉しかった――。
私の新しい、愛する「人形」が増える――心が笑い、魂が踊る――。
そうとも知らず、か弱き少女達の悲鳴にも似た喜びの声が私に届く――――。
彼女達の中には、才能に溢れる煌めく原石が含まれているのかもしれない――――。



