アイ・ドール


「福岡から始まって、大阪、名古屋、東京――そしてこの札幌と、皆さんと共に全力で駆け抜けた私達のファーストライブツアーも、いよいよ最後の1公演となりました――私達がいつも全力で歌って踊る事ができるのも、朝早くから深夜までヴィーラヴを裏で支えて下さっているスタッフ一人一人の皆様のお陰だと思っています――――」


感極まった詩織の瞳からは、涙がうっすら滲む――。



詩織の言葉に天井を見上げ、これまでの道のりを思い返し、涙する者――――憚る事なく泣く者――じっと聞き入っている者――――スタッフ達の反応と表情は様々だ――――。



「皆様それぞれに、私達の未熟さ、時にわがままぶりに怒り、辛い時期もあったと思います――――そんな私達にも、いつも笑顔で優しく接して支え、見守って頂き本当に嬉しかったです――――この場をお借りして、私及びメンバー一同、皆様に厚くお礼申し上げます――ありがとうございました――――」


深く頭を下げる詩織――。


「ありがとうございました――――」


残りのメンバーが、詩織に続き頭を下げる――。




何と清々しい姿と光景なのだろう――――。