アイドール達が光り輝く前では、鮮やかなそれらの装置も霞んで見えるだろう――――。
後方からメインステージへと進む集団が、私を追い越してゆく――――これから作業に従事するというのに、だらしなくヘルメットを被り、腰履きジーンズ姿でスマートフォンをいじる者や、友人同士で雑談を大声で交わす者達――彼らの行為を集団の責任者が荒い口調で注意する。
「るっせぇ――――」
注意された一人が小声で反抗した――。
夢舞台を創り出す為だけにかき集められた、最下層で蠢き、支配者達にとって最も「使い勝手」の良い、その日限りの労働集団――――注意を促した男の会社も例外ではない――孫請会社であろう彼らも、必要な人員を確保する為、「猫なで声」や「甘い」文面を駆使して網を張る――――。
僅かな休憩時間と、支給されれば「当たり」の冷えた弁当――そうして得られる労働内容と比例しない報酬で、訪れ始めた夜から再び日が昇るまで、鳶職達にこき使われる――。
彼らの背中の大半からは、疲弊し、何処か生きてゆく事を諦め、とても己の未来を見据えるという情念は感じられなかった――――。



