福岡、大阪、名古屋、東京――――過ぎ去った桜前線の遠い残り香を追う様に私達は北上し、最終公演の地、札幌にて夢物語の終演を迎える――――。
事前の打ち合わせを兼ねて、私は夢舞台の設営が始められた札幌ドームのフィールドに歩を進めた。
2日前、最終戦にて1部残留を劇的に決めたサッカーの試合の興奮と安堵、人々からの熱が僅かに残され、漂っている――。
天然芝のフィールドが、場外に移動され、コンクリートが剥き出しになった足元から、余韻を冷ます冷気が伝わる――――ヘルメットを被り、分厚いファイルを脇に抱え、野球のマウンドがあろうかとおぼしき場所でドーム内を見渡す――。
幾分コンパクトにも思える空間の印象――――天然芝が搬出された大開口部から、資材を満載した大型トラックが次々とフィールドに入る――――その光景に、コンパクトとという思いを改めた――。
数人のツアースタッフと確認事項を詰め終わる頃には、メインステージの基礎足場が組み終わりつつあった――――私が立つ場所も、メインステージに繋がる花道や円形のサブステージとなり、ドーム全体が電飾や装飾で彩られる――。



