アイ・ドール


東京公演を終え、ツアースタッフの為に与えられた2日間の休養日の初日の深夜、いつもの様に前振れもなく礼子さんに呼ばれ、あの施設群で私は「皆」の為の愛人形を目の当たりにした――――。



また、陰惨な実験を見せられるのかと憂鬱な気持ちで赴いた私を、穏やかな表情で礼子さんは出迎えた――――。



「また、舞の人形が増えるわよ――――」


同時にミネルヴァからのメール――。


「残念でしたぁ――目を逸らしたくなる実験をまた見せられると思ったでしょ――まったく礼子も意地悪だなぁ。どうせ、恐ろしい声色を使って舞ちゃんを呼び出したんでしょ――――」


相手がミネルヴァとわかっているのか、控え目に笑う礼子さん――。


「えへへっ、今日はそんなもの見せる為に舞ちゃんを呼び出したんじゃないんだよ――」


様々な絵文字を用い、踊り続けるミネルヴァの文面――――連動するかの様に私達は施設の奥深くへと進む――――更に弾むミネルヴァ――。



「お待たせっ――――」




厚い金属のドアが開放された先に佇む意志を持たない「五つの人形」――――瞬間、私の魂は無意識に反応した――。