前日までの、地面を叩きつけていた豪雨は去り、新たな1日を迎えた福岡の空は、ヴィーラヴの初ライブを祝う様に雲一つなく晴れ上がり、何処か艶かしい色香を漂わす空の青さと相まって、街を照らしている――――。
太陽の息吹きが、地中に吸い込まれていた豪雨の水分をも激しく熱し、蒸発してゆく熱気によって福岡市街地は異様な温度にまで上昇してゆく――――。
その熱気が冷めやらぬこの日、夥しいライトの光と共に、愛人形達はステージへと飛び出して行った――――愛人形を待ちわび、憧れを抱いていた者達の日々の虚ろな生活と、空虚な想いをしばしの時間、癒し、浄化させる為、ヴィーラヴは偽人達の前に降臨した――――。
恍惚な表情で、快楽の雄叫びを上げる偽人らの声が、地鳴りの如く響き渡る―――まるで、この「儀式」が永遠に続いて欲しいと願うかの様に――――。
「何だか、つれない表情ね――――」
冴えない私の想いを見かね、礼子さんが尋ねる――。
「はぁ――――」
「しっくりこないって感じかしら――――」
「何か――違うんです――――何かが――――」



