光に反射し、妖艶に変化する万希子さんの髪色――――。
「朝食にしましょう――――皆、待ってますよ――――」
長い髪をなびかせ、万希子さんは歩き出す――――私はまだ視線を終わろうとしている世界に留めていた――。
「舞さん――――」
躰を反転させようと意識を切り替えた瞬間、背中から艶かしい万希子さんの言葉が聞こえた――――。
「どうしたの――」
「もし――明日、死ぬとわかっていたら、最後の食事は何を食べたいですか――――」
躰が疼き、魂が震えた――――そして、私の中に巣区っていた煮え切らない自分と、これから人間が辿る道を望む自分とを隔てている境界が消滅する音が響き、私を震わせた――――。
「ご、ごめんなさい――――私――何を言っているんでしょう――――私――――」
破廉恥な事を言ったかの様に、少し頬を赤らませ、伏し目がちで万希子さんは佇んでいた――。
人間の根本的な本質を突かれた――――人は食べ、魂を燃焼させ、意識と体を稼働して生きている――単純過ぎて見えなかった解が万希子さんによってもたらされた――。



