被験体が人間に置き代わったに過ぎない――――狂気、マッドサイエンティスト――――丁の良い「敵」を創り、多くの人間は「善人」を装う――が、全ての人間には産まれながら「敵」が備わっている。だからこそ人間は、この世界の頂点であり続けようとあがき、破壊や殺戮さえもいとわない――――。
創り出した技術は、結果がどうあれ必ず利用する――――確かにその通りかもしれない――。
自制し、封印するという例外はないのだ――。
無理矢理、そう自分を納得させ、あの場所へと戻る――。
「大丈夫――――舞」
「はい――――」
既に被験体の「姿」はなく、床に吐き出された液体類も綺麗に拭き取られている――――。
「つまり、こういう事なのよ――――」
「――――はい」
「ミネルヴァが舞にどうフォローしているのか知らないけれど、人間が人間を終わらせる――殺すのだから当然、人間を使いシミュレーションの検証を行う――――可哀想とか、残酷だとかという思考は意味を持たないのよ――私達は慈善団体ではないのだから――――」
達観した眼とは裏腹に、低い口調で私に言った――。



