「彼女、いえ、アイドール達は正しく生きるに足り得るという存在という事――――」
「そう思ったから舞ちゃんはこっち側に来た――――礼子が語った計画どうこうよりも、感じてしまったんだよ彼女達の愛にね。確かに彼女達は人間じゃない――人形、擬体、或いはロボット。礼子はこう言うと怒るけど実際、精巧な部品と繊細な繊維素材に最先端のエレクトロニクスと精密な生産技術が集約された人間を超える人間だよ――しかも、絶えず更新可能な肉体と魂。ボクがいる所もその為の施設群だよ――――まぁ、表向きの姿は舞ちゃんも知っての通りだよね。実際、ここから次々と最先端の技術が産まれては応用されているし、施設の役割は果たしている。でもね、一番美味しい上澄みの技術はアイドールの生産、管理の為に独占され、その事実はここで働く人達は知る由もないけどね。故に、これからもアイドール達は進化してゆく。そのおこぼれでボクも途方もないユニット群を捨て、量子コンピュータになってるかもしれないよ――――本当は礼子からもっとアイドールの事を理論的、技術的に説明しろって言われているんだけど――」
「きっと、私には理解できないわ――」



