私のヴィーラヴが、シフォンの代わりに頂点に君臨する――。
「ケッ、何が楽になりなさいだよっ――ふざけんじゃねぇよ――ワタシはこれからもこの世界の頂点であり、神なんだよっ――」
あがくシフォンだか、眼力は弱々しい。
止めを刺す頃合いだ――――。
シフォンの艶やかな髪を掻き上げ、華奢な耳に私の唇を近づけ、魂にまで達する様に力強く、そして甘く囁いた――。
「嘘は駄目よ――私の言っている意味、わかるわよね――――シフォン、いいえ、橋本 明子(はしもと あきこ)さん――」
「ひっ――――」
彼女の本名だ。
必死に隠し、守っていた本当の自分の姿を、呆気なく私から語られた明子は一瞬、奇声を発し、全身が白くなった――。
とろり――――再び、甘い蜜が滲み出す――。
生年月日――
年齢――
出身地――
家族構成――
出身校――
恋愛遍歴――
私は、明子の全てを耳元で綴った――。
綴る度に、白くなった肌が温もりを失い、眼が狼狽し瞳の輝きが失われてゆく明子の様子が面白くてたまらない――――。



