口紅を弄ぶ手が止まる――――。
シフォンの表情が、何処か知られてはいけない秘密に触れられ動揺し、怯えた顔へと変わる――。
真実を映す鏡は、嘘をつかない――。
「私の言った意味、わかるわね――――」
視線を合わさなくなったシフォンにわざとらしく尋ねた――。
「な、なんの事だかわかんねぇよっ――何言ってんだよっ、バ、バカじゃねぇのっ――」
シフォンの動揺ぶりが面白くてたまらない――ついさっきまで、私のアイドールや支えになってくれた人間を罵倒し、頂点だの、女王だの、挙げ句、神などと嘯いていた人間が、現時点において何の根拠も示していない私の小さな揺さぶりに狼狽えているのだ――。
冷や汗だろうか、一滴、シフォンの額から流れる液体――その「甘い」液体を私はこれからしゃぶり尽くし、楽しむ――。
私達を欺き続けた罰として――――。
「何の事って、惚けても無駄よ――」
「うるせぇよっ、ワ、ワタシは何も隠してない――後ろめたい事なんてしてねぇよっ――」
「本当に、そう言えるかしら――今も、これからも――――」
「ちっ、るっせぇ」



