最後まで自身を支えた彼をも、シフォンは捨て、存在を「抹殺」した。
「どうか――お願いします――――」
憔悴した彼が、仄かに私に囁き、スタジオを出てゆく――――シフォンを愛し、支えた人間に彼女は応えなかった。
人間の愛という最大の後ろ楯を失ったシフォンは、ただ不貞腐れ、破損を免れた鏡に映る己を眺める――。
出入口のドアが、音もなく閉じられた――。
私は、座っているシフォンの背後に移動し、同じ鏡を見た――。
互いの姿が鏡に映る。
そこに顕になった、「本性」と「本性」の闘いが始まる――。
「殺してやる――――なんて、随分と乱暴なのね――」
「うるせぇ、お前らムカつくんだよっ――ワタシの上に立ちやがって――」
「どうして、そこまで私達に拘るのかしら――」
「邪魔なんだよっ、お前らっ――シフォンは常に1番でないといけないんだよっ。頂点に君臨し続ける事が、ワタシの全てなんだよっ――」
「悲しいわね――」
「けっ、アンタに何がわかるんだよっ――頂点を極める為にどれだけバカどもに気を遣って、擦り寄って頭下げたと思ってんだよっ――」



