アイ・ドール


「誰かに文句言ったり、嫌がらせしたって何にもならないでしょう――その事、シフォンさんもよくわかっている筈です――」


 恐らくは今回が初めてなのだろう――毅然とシフォンに向き合ったマネージャーの姿に、あのシフォンも少したじろぐ――。




「高樹さん――シフォンがヴィーラヴの皆様、スタッフの皆様や高樹さんに酷い態度で接してしまい、何とお詫びしてよいか――――全て、私の責任です――本当に申し訳ありません――――」


 膝頭におでこが触れる程に、彼は深く頭を下げ私に詫びる――。



「こんなヤツに頭なんか下げてんじゃねぇよっ――ったく、あんなバカアイドルよりワタシが常に1番じゃなきゃならないんだよっ――ワタシが頂点よ、歌姫なのよ、神なんだよっ――――」



 たじろぐ姿のシフォンは、もう消え失せていた。


「ワタシの上に誰かがいてはいけないんだよっ――」



「――――」




「へっ――使えねぇ、使えねぇんだよマネージャーっ――――死ねっ、もう死ねよ――」


 怪奇な目つきで言うと、彼や私、数人のスタッフ達を指で示し、更に怪奇な表情と声で狂気するシフォン――――。