アイ・ドール


 私とアイドール、数人のスタッフとテレビ局の人間、シフォンとマネージャーが、「広くなった」スタジオに残された――――シフォン側のスタッフは、もういない――。




「ラヴラヴ、ラヴラヴ――――」


 再び標的をヴィーラヴに定め、馬鹿にした声色で連呼、挑発する――。


「シフォンさんっ、やめて下さいっ――」

 マネージャーの語気が強まる――。



 すくっと詩織が立ち上がり、スタッフ達に目配せする――詩織の意を汲み取ったスタッフ達は、シフォンのマネージャーにそれぞれが一礼し荷物を抱えてスタジオを出てゆく――。


 詩織が、「うん、うん」とスタッフ達一人一人と目を合わせ、見送った。


 万希子さんが詩織を見て頷いた――――潮時だった。詩織が私を追い越し、「適度」な距離までシフォンに歩み寄った――。



「今日は、ありがとうございました――お疲れ様です、お先に失礼いたします――――」


 シフォン、マネージャーに深く一礼した詩織に続くアイドール達。



「おいおいおいおいっ、お先に失礼しますぅ、何言ってんだよテメェ――そういうスカした態度が気に入らねぇんだよっ――」