詩織に至っては、シフォンの挑発にも、「また始まったか――」と呆れ笑っていた――。
私はてっきり、アリスがシフォンとやり合うのではないか――などと心配しながら、心の何処かで密かに期待もした――。
相手をするのも、会話を交わす価値もない人間――――アリスは思っていたのだろう。
危険なのは私達、人間の側だ――。
礼子さんに構うなと言われているのに、私達のスタッフの何人かは、シフォンを睨み、舌打ちし、今にも飛びかかろうとしている――。
「おいマネージャー、雑魚スタッフの補充しとけよ――」
事もなげにシフォンが言う。
「――――」
「聞こえてんのかよっ、明日までに揃えておけよっ――」
パイプ椅子に荒々しく座ると、シフォンは歪んだ眼を妹アイドル達へ向け言った――。
「なんだよっ、ビビりやがって底辺アイドルがっ、さっさとワタシの前から消えろっ――うぜぇ――」
シフォンの声と形相に、涙を流したアイドル達を、「大丈夫だよ」と万希子さん達が体を起こし、安全な距離まで遠ざけた所で彼女達のスタッフに預け、そのまま妹グループはスタジオを後にした。



