アイ・ドール


「素晴らしい――」


「いとおしい――」


「愛しい――」



「素晴らしい――」


「愛しい――」


「愛しい――」

「愛しい――人形――」


「愛する――人形――」


「愛する――」



「愛、人、形――――」


「愛人形――――」


「はぁっ――愛人形――」


「舞――今、何て言ったの――――」


「えっ――――」

 驚きにも似た礼子さんの声で、我に返った――。


「素晴らしく――愛しい――――」


「いいえ、その後の言葉よ――」


「愛する人形――」

「私の愛する人形――」




「ふふっ――愛する人形――――」


「愛人形――そう――愛人形(アイドール)です――――」


「愛人形ですって――」


「そうです礼子さん――――彼女達は私を愛している。私も彼女達を愛している――だから、私の、私だけの愛しいアイドール(愛人形)なんです――」


 礼子さんが、怪しげな笑みを浮かべた。



「アイドール――素敵だわ舞――あぁ、何て素晴らしく美しい響きなのかしら――――」


 喜びのあまり、いつしか私達の瞳は潤いを増していた――――。