「ふふふっ――お互い始めて顔を合わせたのに、とても仲が良いのね。安心したわ――」
「仲良くなんてありません――」
「そんなぁ、冷たい事言わないでよ舞ちゃん――」
「冷たいも何もないでしょう――それと、馴れ馴れしくちゃんづけで呼ばないで――」
「そんな邪険にしないでよぅ――万希子やアリス、葵と流花の事で怒っているなら謝るから――あれはボクが提案したんだよ。だから、礼子は悪くない――――これからは舞ちゃんのいいようにヴィーラヴを調整するからさぁ、だから許してよ――」
「いいのよミネルヴァ――私が許可したのだから、全ての責任は私にあるの。舞も彼を許してあげて――」
つまりは、彼のさじ加減でヴィーラヴは如何様にもなるという現実――淑やかにも、荒々しくも、各々の個性を調整する事も思いのまま――――魅惑的な言葉をメロディーに絡め、人々を虜にする楽曲を創造する。多分、自身の能力の僅かな領域しか、彼女達に使われていないのかもしれない――全てと言っていい能力は、礼子さん達の想いの実現に費やされているのだろう――。
ミネルヴァにしても、その性格は男にでも女にでもなる――。



