「紹介するわ舞――――ヴィーラヴのプロデューサーよ――」
「えっ――」
「何ともおかしいでしょう舞――正体は純白の箱。それを皆、血眼になって、誰だなんて探したり、話しているのを見ていると――ふふ、おかしくて――――」
純白の立方体の前に設置されたコントロールデスクへ向かい、ワーキングチェアに座り、各種の承認作業を行いながら、軽やかな口調で語った――。
「これが、ですか――」
「そうよ――ここにある沢山のユニット群を統括し、かつ、ヴィーラヴを産み出し、彼女達に躰を与え、個性を植えつけ、コンセプトを構築して楽曲を提供する特別な白いユニット達――――プロデューサーであり、私達の想いを叶える真の遂行者――ミネルヴァよ――」
またしても――人間ではなかった――。
万希子さんの出来事が脳裏で再生される――。
「はっ――――」
はぁ、と礼子さんに紹介され、戸惑い気味に眺めていたミネルヴァから目を逸らす。恥ずかしいという感情が全身を覆い、頬が更に熱を帯びる――。
この白い箱に、万希子さんを庇い、乗じて自身の真の感情までも吐露し、絶叫していた私――。



