妬む世界を哀れみ、笑う――。
それと同様に、贅沢な暮らしに憧れつつも、全てを失い奈落の底へ落ちてしまえばいいのに――と思う普通に生きる人々もいる――――両方の世界の境には、相容れない薄い層が存在して互いを拒絶し合っている――。
「ならば――」
と、礼子さんと、礼子さんの資産の数千倍は保有している者達はとある思考に辿り着く――。
人間を終わらせる――。
生きていても渇き、虚しく、劣化してゆく――かといって一人ぼっちで死んでしまうのも切ない――――だったら、皆一緒に――ある富豪が数年前のパーティーの席で親しい友人達に、ふと口にした言葉だという――。
意外な事に、友人達も同じ想いを募らせていた――小さな波紋は彼らのネットワークを通じて拡散し、幾つものダミー会社を介してカネを集め始める。天文学的な資金が集まった先が、私が今いるこの施設群に、ヴィーラヴに集約されている。
彼らは、富豪の中でも1パーセント弱の存在ではあるが、資産の額や影響力はこれまでほぼ、人間世界の行く末を決定、遂行している強力な力――。好きな様に世界を操った人間達が、飽き、虚しいと言う。



