「解放と言っているでしょう――」
「まだ言葉遊びを続けるつもりですか――」
「それじゃあ、舞さんに聞くわ――あなたはこれまでの、いえ――ヴィーラヴに出逢うまでの人生は幸せだったと言えるのかしら――――」
「くっ――――」
むず痒い感覚の刺が、じわりと心の奥に侵入し痛覚に変化してゆく――。
「私を非難するのは構わないけれど、舞さんだってこちら側の人間なのよ――カネの虚しさはわかっている筈よね――」
「ええ、わかっています。その事も含めて引き籠もってもいました――もっと正直に言えば、こんなに苦しんでいる私をよそに、普通に暮らしている人達が羨ましくて憎かった――――礼子さんの会社に入って、マネージャーに就くまでだって、画面に映るヴィーラヴに死ねばいい――なんて言葉を呟いていた時期もありました――だからって、この世界の人間を全て殺す、いいえ、解放するなんて考えもしませんでしたよ――」
「――――」
「救って――私を救ってくれたと思っていたのに、それなのに何ですか、万希子さんの涙、アリスの万引き、流花と葵と私――」
キャロルアンを見つめ、礼子さんは動かない。



