アイ・ドール


「そうね――舞さんをマネージャーに誘い入れる時は私も手段を選んではいられなかった。どうしても舞さんに彼女達のマネージャーに就いて欲しかったから――――故に、今舞さんが違和感を覚える様な表現の言葉も用いた。それも私の本心なの――自分が向上する機会は生かすべきだし、お金だってないよりはあった方がいいに決まっている。決まってはいるのだけれど――――問題は、その額なのだと私は気づいてしまったのよ――」


 ふと彼女達を見た――――いつの間にか詩織はいなくなり、事の行く末をキャロルアンが静かに伺っている――。


「同じなの――カネを持っている者達の終着点は――――」


「何が同じなんですか。さっきから、飽きたとか劣化とか、普通がいいなんて――――それって強者の論理ですね――」



 チクリと刺を刺す言い回しで礼子さんに問いかけた。礼子さんの様に成功者となり、ある程度は意のままに世間や会社を、人を、カネを操れる立場に就ける機会や人物などそうはいない――その立場にいる礼子さんから弱気とも、諦めとも読み取れる言葉や仕草が吐き出るなんて思いも想像もしなかった――弱い礼子さんなどあり得ない。