「本当にその言い方は上から目線ですね――」
礼子さんを少し睨んだ。
何もかも、欲しければ潤った財力を活用して手に入れられる立場の側の人間が何を言っているのかと訝しる。
「あなたも、こちら側の人間じゃない――」
私の視線を跳ね返す様な眼と声で言った。
「私が財を築いた訳ではありません――」
「舞さんの父親の恩恵に預かっていると――」
「事実、礼子さんの言う通りですよ――――私が今まで生きて、何かを成し遂げた事なんてありませんし――――」
「これから成し遂げればいいわ――」
「だから、礼子さんの側に加われと――――」
「他に舞さんの進むべき道があるなら、無理にとは言わないけれど――」
「それは――」
「そんなに落ち込まなくてもいいのよ――舞さんもまだ20代の女性。私もその位の頃はこれだという確固たる将来のビジョンなんてなかったわね――――ぼんやりと心に育まれた想いはあったけれど、踏み出すのを迷っていた時期だった――思い返すと懐かしいわ――――」
「――――」
「でもこの時代、私達の時よりは人生の選択肢は削られて可哀想だとは思うの――」



