アイ・ドール


『まったく、人間って愚かで後退するのが好きなんだねっ――――』


 次に「人間」になろうとしているモコとモカが、可愛らしいシンクロながらも私や礼子さんを蔑んでいる様に見えた――。


「未来を知るのが怖いのね――あるべき姿ではない自分が、今よりも俯き、暗い眼で未来の世界で漂流している――それを見るのが怖い。そうであるとは限らないのに、思い込み、未来を閉ざす――自分の気持ち、努力次第で未来への道程は変化し、良くなるかもしれないのに、自ら闇に繋がる道程を選択してしまう――――」



「だから、人は過去へと戻る――帰り、在りし日を懐かしんだり、歴史的事象の検証に耽る――その繰り返し。今の自分を守る為、過去に介入はしない――介入すれば過去は改ざんされ、自分は存在していないかもしれないから――――でも、未来は変えられる。そこに提示された未来はあくまでも仮の風景――生き方で、良くも悪くも改変が可能な世界の筈なのに、多くの人々がもう諦めている様に私には見えるの――――それが――悲しくて――」


「この地球上で食物連鎖の頂点に君臨して、科学技術の進歩で繁栄を築き、人々は潤っている筈なのに」