アイ・ドール


「今のは、私が冷静さを失っていたわ――恥ずかしい姿ね――」


 少し俯き加減に話す礼子さんが可愛くも見えた。


 単に面白可笑しくカネを稼ぎ、楽な暮らしをする為にヴィーラヴが創られたのではない事は、ロボットではないと否定する礼子さんの剣幕で示された。



「彼女達の存在を理解して欲しいの――――」



「では、何と言えば――」


「――――」


 意味深な笑みを浮かべ、礼子さんは明言を避けた――。


 一定間隔で低く唸り続ける振動音は、今も続いている――。




「何故、彼女達が創られたか――――そんな話だったかしら――」


「はい――」




「いなくなるのよ――――」



「誰がですか――」



「私達がよ――――」


「何を言ってるんですか」


「んふふっ――何って舞さん、死ぬのよ――私達人間は――――」


「からかうのはやめて下さい――」


「からかってなんかいないわ――だって近い未来に本当に起こる事だもの――」

 礼子さんに悲しみの表情はない――寧ろ自分の言った事が早く現実になって欲しいかの様に、狂喜な眼差しでヴィーラヴを見ている――。