「最近元気ないね――どうしたのマイマイ――」
不可解そうな表情で、キャロルアンが私の顔を覗き込む――さすがに何日も沈んだ顔を晒していれば、何かあったのと訊ねてもくる――「あの日から」ではなく、「最近」と言い替えているのも気遣いなのだろうか――。
「見て見てっマイマイっ、すっごく可愛いよっ――」
キャロルアンと入れ替わる様に、クリエイターが連れた猫をいとおしそうに雪が抱え、私に近づける――私を見る猫の眼――。
「ごめんね雪――私、猫はちょっと――」
「えっ、そうなんだ――じゃあ――」
私を励ます事を諦めない雪は、離れた場所で談笑していたモカ、モコ、アリス、葵、万希子さん達に猫を預け何処かへと消える――万希子さんを除いた四人が、キャッキャと猫を可愛がる。
「うわぁ――」
ゴールデンレトリバーに引っ張られ、雪が戻る。
「メイクのさっちゃんのネプ子だよ――」
お座りして、曇りのない瞳で私を見上げるネプ子。
「おとなしいのね――」
しゃがみ、ネプ子の頭を撫でた――尚も私を見上げつつ、尻尾を振るネプ子――。
「もふもふして、可愛いよね――」



