流花が悟った様に言った――。
「もう、時間だから――」
「マイマイ――」
「何、葵――――」
「う、うん――その――」
「何なの、はっきり言って――」
「そんな意地悪しないでよっ、マイマイっ――」
少し涙声の葵が、背を向けたまま声を荒げる。
「意地悪――言ってる意味がわからないわ」
「だって――」
「だって何なの、じゃあ言ってあげる――二人の関係は認めてあげるわ。でもね、昨夜の事がこれからもあるなんて変な期待はしないで――――もう私にも、他のメンバーにも、あんな事しないで――」
「あんな事って――酷いよ、そんな言い方」
「何が酷いの葵。じゃあ私がされた事は何――受け入れられるとでも思ったの。買い被らないで、私はあなた達みたいに特別じゃない――普通の、いいえ、弱い女なのよ――」
「葵ちゃん、もういいよ」
流花が、葵の頭を撫でながら言い、少しだけ切ない横顔を私に見せた。
「私、もう行くわ――」
捨てる様に言い、昨夜の道順を逆に辿り始める――。
「ごめんね、マイマイ――――ごめんなさい――」
謝罪する流花の声が遠ざかる――。



