頭上を掠めたスマートフォンは鈍い音で壁に衝突し、内部の部品が幾つか飛び散って床に落ちた。
「ったくさぁ、アリスのパンチラなんか撮ってホントは何するつもりだったの――アリスを脅して葵ッチやモカッチモコッチ達とエロイ事でもやりたかったのかよっ、素人女も抱けないくせにっ――」
「くあっ――」
うっすらと涙を溜めた目でアリスを睨んだ多田坂――彼自身の心の負い目に、容赦なく土足で踏み込んだアリスを遂に許せなくなっての反応に見えた。
「何だよっ、睨んで――悔しいかい、こんな小娘に好き放題説教されて何も言い返せない自分が悔しいんだろ――いいんだよ、抱いても。ここでアリスを抱いたら葵ッチ、モカッチモコッチを呼んでやるから、好きなだけ抱いてみなよ――さぁ、アリスを抱きなよっ――」
切り捨てる様に言うとアリスは乱暴に服を脱ぎ始める――。
意外にも、紫色の上品で大人びたデザインのブラジャーと、年齢以上に発育した躰を二人に見せびらかした後、自分が万引きした品物を思い切りはねのけ、テーブルに寝そべり、舌で指を嘗めずり挑発する――。
「さぁ、早く抱きなよ――」



