恋ってよんでもいいですか?

視界が涙で滲んで


ゆらゆら揺れて


ちゃんと見ることができないそれを私は右手で触れて確かめる。


「隼人くん、これっ」


「ん。エンゲージリング。


ホントはさ、もっと雰囲気作ってプロポーズして渡したかったんだけど」


隼人くんが少し照れたように


困ったような顔で私の頬に触れた。


「わこちゃんが春樹とさくらのこと気にしてんのわかってたし。


2人のこと、ちゃんとクリアしてからプロポーズしようと思って、昨日あんな頼みごとした。


でも思ってた以上にわこちゃんのこと悩ませて不安にさせて焦った。


そしたらさ、言わずにはいられなくなって…こんな早朝プロポーズでゴメンな。


順番間違えた、っていうのは春樹とさくらのこと言う前にちゃんとプロポーズするべきだったかな、って思って。


でももうこの気持ち、わこちゃんを愛してるって気持ちも結婚したい、って気持ちも俺ん中でいっぱいなんだ。


許して?」


そう言って隼人くんが首を傾けて愛しそうに私の頬を撫でた。