憂鬱なる王子に愛を捧ぐ



「真知、手紙が届いてるわよ」

「ありがとう、お母さん」

受け取ったエアメールは、アメリカにいる結衣ちゃんから送られたものだった。彼女らしい、綺麗な文字を目で追う。
アメリカでの生活にも大分慣れたようで、金髪の男の子と一緒に笑顔を浮かべる結衣ちゃんの写真が同封されていた。

ー……こんなの見せたら、尚……、不機嫌になりそうだな。

なんて、こっそりと思う。

「真ー知ー!」

窓の外から、千秋の声。
慌てて顔を出せば、そこには手を振る千秋と、腕を組んであたしを見上げる尚が並んでいた。

「ごめん、今行く!」

写真と手紙を封筒にしまって、机の上に置く。
家に帰ったら返事を書こう。まだ離れて少ししか経っていないというのに、話したいことが山ほどある。